実践編
株主優待におけるクロス取引では、権利付き最終日までに現物(又は信用)買いと信用売り(空売り)を組み合わせることで、株価変動リスクを完全に排除します。株主優待の権利を得た後両方を清算し、株主優待の権利だけを得ることを目的とします。
特に現在の日経平均17,000円レベルの今が高いと感じている方は、クロス取引をして株価下落リスクを完全に排除して優待券だけ取得しても良いかと思います。ちなみに、管理者は株主優待券を貰う際は、クロス取引(売りヘッジ)することなく現物のみで株式を所有したことはありません。ですので、相場が上下に大きく動いても損失が出ないので、永くこのクロス取引による株主優待券のタダ取りを実践していられます。
注文の出し方としては、場中(ばちゅう)(=取引時間中)にクロス取引をすると、買った値段と同一の値段で売ることが困難なため、朝9:00の寄り付き、又は後場12:30の寄り付きかで約定(やくじょう)(=取引が成立すること)させるためにその直前に売買注文を出します。
例えば、11/25(金)が権利付き最終日の場合、11/25の朝9:00(相場が始まる時間)に買い注文と売り注文が成立するように、11/24(木)の夜のうちに、翌日の「成行きの買い注文」と「成行きの売り注文」を出します。
朝9:00の寄り付き、又は後場12:30の寄り付きの株価の開始価格は、買い注文の株数と売り注文の株数が一致した瞬間に取引が成立する仕組みになっていますので、前夜に出した注文は必ず同一の株価で約定することになります。これでクロス取引の完成です。もちろん、11/24と言わずその何日も前からクロス取引を実施しても構いません。
ただし、株主優待券は信用取引で購入した株主には割り当てられませんので、クロス取引が完成した後、信用で買った株式を「現引き(品受け」)して現物に変換します。この「現物買い」と「信用売り」の両方を保有している状態で、権利付き最終日の15:00を待ちます。「現」や「品」とは、株式そのもののことです。
※買い注文は信用取引で購入した後、現引き(品受け)するのではなく、最初から現物で株式を購入しても構いませんが、大体の証券会社は現物取引より信用取引の方が手数料は安いかと思います。
あとは、翌日の権利落ち日に清算し、株主優待券の権利だけ確定します。具体的には現物を保有しつつ、信用取引で売り建てている状態ですので、「現渡し(品渡し)」をして清算することになります。
簡単にいうと、
①信用買いと信用売りの注文を出して、クロス取引の完成
↓
②信用で買った株は「現引き(品受け」)して現物に変換
↓
③権利を取ったら「現渡し(品渡し)」をして全てを清算
の繰り返しです。